【登録理由】

岐阜県と富山県にまたがる白川郷・五箇山の合掌造り集落は、豪雪地帯に合わせた建築様式で、日本の他の地域には見られない大変特色のある民家の形式です。養蚕するために工夫された特別な造りであり、集落の自然景観が素晴らしいことが評価されました。戦後のダムブームの中、多くの合掌造りの家屋がダム底に沈み、さらにその後の建て替えや村外への売却という、開発優先の流れに対し、白川村は家屋の移築保存を開始しました。「売らない・貸さない・壊さない」という市民憲章を制定するなど、住民の努力の末に、世界遺産に登録されるに至ったのです。

【所在地住所】

岐阜県大野郡白川村
富山県南砺市

【アクセス方法】

電車:JR高山本線 高山駅下車 濃飛バスで白川村荻町集落 加越納鉄道バスで菅沼集落 相倉集落
JR北陸本線 高岡駅下車 加越納鉄道バスで相倉集落 菅沼集落 白川村荻町集落など

【遺産概要と見どころ】

世界遺産に登録された白川郷・五箇山の合掌造り集落は、岐阜県大野郡白川村の荻町集落、富山県南砺市の菅沼集落と相倉集落、3つの集落におよんでいます。集落は大型の木造民家郡で構成されており、茅葺きの合掌造りの大きな屋根は、3階から5階建。1階は広い居室、2階以上は屋根裏部屋の寝室や作業空間となっています。その作業空間では養蚕の作業なども行われていました。それぞれの集落には合掌造りの家屋だけではなく、寺院や神社、蔵、庫裏等の伝統的な建物や、雪崩から集落を守る雪持林、水路、石垣などが保存すべきものとして特定されており、歴史的な景観が維持されています。合掌造りの宿もあり、泊まることもできます。また、春には、集落の人たちが協力して茅葺き屋根の葺き替え作業をする様子も見ることができ、季節の風物詩となっています。

【近くのグルメスポット】

白川郷・五箇山を訪れた際にはやっぱりおそば。白川郷では「手打ちそば処乃むら」がおすすめです。店内はカウンターだけで席数も多くはありません。待たされる覚悟が必要です。甘みのあるおそばと、セットにするとまいたけご飯もついてくるので、満足感を感じます。そばがなくなれば閉店ですから、少し早い時間帯が狙い目かも。一風変わった「蕎麦庄やまこし」のそばフロランタンはお土産におすすめのおそばでできたお菓子です。
一方、五箇山と言えば、2大名物、そばと豆腐です。いずれも堪能できる「拾編舎」は、一度は訪れたい店です。観光客に根強い人気の「天ざる蕎麦」と、五箇山2大名物を楽しめる「とうふ揚げ出しそば」も味わっておきたい逸品です。山のご馳走を楽しみたいのなら、合掌造りのお店、「まつや」。相倉集落の真ん中にある食事と甘味、豊富なお土産もそろったお店です。中でも「まつや定食」は五箇山の旬の食材が盛りだくさんで、あなたのお腹を十分に楽しませてくれることでしょう。

【感想、その他】

自然の風景がよく似合う、白川郷・五箇山の合掌造りの集落は、四季折々、美しい景色を見せてくれます。集落に息づく伝統、歌い継がれてきた民謡、素朴な味も大切に受け継がれてきました。ぜひ、一度は訪れたい世界遺産です。